# 65 膝の手術後の2次的な怪我

前十字靭帯などの膝の手術をしてから長い間ギブスをしていたりブレースをして可動域の制限をかけた状態でおく事は多々あります。

場合によっては松葉杖をする事もあるでしょう。

怪我をした側の脚では膝裏(膝窩筋)などが張ってきて、逆脚は体重を支えるため大腿直筋やふくらはぎ、大腿筋膜張筋も代償運動によって過緊張を起こすことが多々あります。

病院では患部の状態を中心にみますが、我々アスレティックトレーナーはそれによる2次的な怪我の可能性も常に目を光らせています。

例えば「鵞足炎」がその一つになります。

3つの筋肉が同じ場所(膝の内側)に付着する鵞足では筋肉が過緊張を起こすと付着部の骨を引っ張り炎症を起こしてきます。

手術後に周囲の筋肉の張りを常に改善しておかないとこの症状は出てくるのではないでしょうか?自分でケアすることも大事だし、専門家に診てもらうのも大事になるでしょう。

それだけでなく、松葉杖をしてれば肩も張ってくるし、手首で体重も支えるので関節に炎症が出てくることもあるかもしれません。

膝だけに関わらず一つ怪我をして生活習慣が変化すると別の部位にも変化が当然出てきますので2次的な怪我も注意してください。

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#64 45歳男性腰痛

ギックリ腰ってどうして起こるの?

ギックリ腰などの急性の腰痛は脊柱を安定できずに突発性の動きに対応できなくなり周囲の筋肉が強烈に緊張する事によって起きてきます。

個人的に重要だと思うのが股関節。

股関節で可動域が広くとる事ができればいいのですが、股関節の十分な動きが獲得できていない場合は近くの関節(例えば腰)が股関節の動きを補って動き出します。そして腰の負担が大きくなってきます。

結果的に腰に最終的な痛みが出てきますが、ひょっとしたら股関節の動きの低下が腰痛の引き起こしている可能性があります。

先日訪問された方もこのパターン。

腰が痛いのに、トリートメントを受けている場所は股関節で特にお尻の筋肉(深層外旋筋群)なのでなんで?って質問を受けましたが
説明をすると納得されて、実際にトリートメント後に確認してもらうとだいぶ改善されていました。

良くなったからといって、急激に動かし過ぎるとまた周囲の筋肉が緊張してしまうのでいつも最後には十分に注意をしています。

前にそれで時間をかけたケアが台無しになった事がありました。今後再確認して、再度ケアした部位を行う必要があるとは思いますが鍛えるべき筋肉が動くように教育させていきながら腰への負担を軽減させていく計画です

#63 スポーツトレーナー

世間的には「スポーツトレーナー」と一括りになってしまいますが、メディカル系のアスレティックトレーナー(AT, ATC)なのかストレングコーチ(S&C)なのかで実際は行う事は全く違います。

「トレーニングを選手にする」という事同じですが目的も方法も違ったりします。自分自信はメディカルの方に興味を持って仕事しているのでS&Cの世界は知りません。

あなたはどちらですか?ってはっきりさせる必要もないのですが、セミナーに参加していると全てを理解しようとする非常に勉強熱心な方もいれば、自分の領域以外の事も全て知ってる風に口を出す勘違い野郎もいます。

トレーニングやトリートメントは色々な考えがあるし、東洋医学と西洋医学があるようにお互いが良いところがありますし、そこには相手を否定する事は必要ありません。

ATとS&Cもボディーメイクもやっている事は似ているように見えますがそれぞれがプロなのでそれぞれ特別な存在です。

「スポーツトレーナー」と言われて肯定派と否定派が一般の人にはいるかもしれません。
良い思い出がある人、悪い思い出がある人。良いトレーナー、悪いトレーナー、全て一括りです

良いイメージを持ってもらえる事は非常に嬉しいですが、間違った認識を持たれてしまう事も非常に多いです。

例えば「トレーナー=マッサージする人」

これは寂しいです。

「町の整体でマッサージしてもらっても痛みがなくならないから諦めていた」

「痛み止めの薬と湿布を貼って安静にしてください」ってお医者さんに言われましたという人。非常に様々ですが我々の業界が何をしていて何が解決できるのかを世間的にもっと知ってもらいたいですね。

そのためには自分はプロとして結果を出して、向かい合って話し合って理解してもらって周知させていくのが一番なのかなって思います。

#62 自分にとってアスレティックトレーナーという仕事

僕はアメリカでアスレティックトレーナーとしての基本的な事を勉強したし経験したので日本で働くのとは比較しにくいのですが、実際卒業してから帰国しているので仕事としては日本で活動しています。

現時点で自分が感じた事をここで書いておきます。
(賛否両論あると思うのでその人によって感じた事、思っている事は違って当然ですので参考まで)

まず最初に働く場所についてですがご存知の通りアメリカでは高校・大学・PTクリニックなど勤めるところは日本に比べると多い気がします。

自分の場合は帰国して会社員として学校で教えていた時は「教える事で勉強した事がブラッシュアップさせるから」と考えていました。

これ自体には間違いはありませんでした。自分で理解するのと指導するのでは全く違いますね。
日本ほど働きましたが今度芽生えてきたのは「現場での経験がないのに教えていいのだろうか?」という葛藤です。

現場の仕事はないかなーと探していたら偶然にもサンフッチェの求人を目にしてトントン拍子に話が進んで2ヶ月後には内定をもらいました。

プロの世界の選手をみれた事は非常に大きな経験になったし、いま現在の指導のベースになりました。
プロ選手といっても一人の人間で身体の構造も同じだし、話す言葉も同じで特にプロの選手が特別な存在とは思わなかったです。
(もちろん世間的には特別ものでそれなりのプライドも選手は持っているはずです)

現場の仕事はすごく面白くて勉強にもなったし、辛かった事も多くあるのですが一番引っかかったのは「契約」です。

基本我々の世界は一年契約の更新です。仕事があればいいけど急に契約更新がないといわれても自己責任。
会社員とは違って結構リスキーだなと思いました。(当たり前なんだろうけど、そんなの考えもしなかった)

いやでも老後は来るし、退団する時は必ずきます。だからその時のための準備をしながら毎年過ごすという事が出来ないくらい毎日忙しかったので将来に対する自信がなかったんですよね。

健康面も当時30歳で若いうちは全然いいけど一生健康でいられる保証はないし、当時は「早寝早起き3食バランス良く」が健康の秘訣だと思っていたので世間知らずでしたね。

あとは時間の問題。オフシーズンにしかまとまって休みがないので将来ずっとこれで過ごすという選択肢はありませんでした。
2011年に地震があって直後に連絡が取れなかったりした時に、仕事以外の自分の人生に目を向け始めました。
「アスレティックトレーナーである前に一人の人間として生きている」からそれを大事にしたいって。

自由に旅行に行ったり、勉強したり、本を読んだりってやつです。
自分にも絶対にくる老後や健康についての問題についてもしっかり学びたいと思ったし、準備したいと本当におもいました

だから東京に帰ってフリーランスとして自分でコントロールしながら働きたいと思ったし、そうやっていく事が自分にとって絶対に必要でした。

当然仕事がなければ収入だってありませんので自己責任。
でも一方で上がらない給料を期待するより、挑戦したい気持ちが強かったですね。
(世間はそんなに甘くないというのもその後よく学びました・・)

セミナーでて勉強したり、東京はすごく尊敬できる人が多く、雑音も多いですが情報も多いです。

その後高校や社会人レベルをチームで働きましたが属するチームによって予算の問題があるので設備や環境、給与もまちまちです。
おそらく自分で満足できるくらいの環境で働ける事はなだろうなって思いました

今考えているのは東京オリンピックがある2020年までは東京はすごく刺激的ですがその後はどうなるのか?
本当に人工知能が発達して働く人が減ればその人たちをクライアントに持つ自分も当然影響を受けるし、年金問題も親・祖父母の時代とは全く違います。

退職金もらって年金が守ってくれる時代はとっくに終わっていますから真剣に考えないといけないし、若い頃の貧乏や苦労は笑えますが老後の貧困は自分は笑えません・・。

それだけ生きるって大変です。税金も安くないですから。

理想もそうですが現実もこの業界だけでなく色々な世界をみてみたいし、経験したいのでプロ選手をサポートしたいというミーハーな考えは無くなりました。

34歳になり少なからず後輩から相談を受ける事がありますがいつも「自分は人と考え違うから参考にならないよ」っていいます。経験は話せるけどその人の理想と成功は自分とは全く違うはずですから。

#61 20代女性 〜内転筋のスパズム〜

3年ほど前にギックリ腰をして、その後出産を経験して半年くらいすると右の股関節に痛みが出るようになり股関節が90度以上上がらなくなってしまったという本日のクライアント。

最初は腰の痛みを訴えていましたが話を聞き込んでいくと大腿部が持ち上がらないという事を話し始めました。

色々評価をしてみても関節を怪我している様子もなく、内転筋群のスパズムによって股関節屈曲ができなくて
それが長期間に及んでいた様子です

スパズムなので股関節周囲の筋肉のトーン(緊張)を低下させる事に集中しましたが
股関節の外旋筋群や腸腰筋が特に緊張が強く
モビライゼーションを入れながら関節の動きを取り戻していきました。

ずっと痛いので整体などでマッサージを受けたが全く変化が出ず、
整形外科で診断を受けても

画像診断を受けておじいちゃん、おばあちゃんと一緒に長時間待って結局痛み止めと湿布を渡されて
「ストレッチをしっかりしてください」としか言われないので諦めていたそうです

サッカーでもラグビーでも内転筋のスパズムというのは頻繁にある症状で何度もみた事をある症状です。

一般的に我々アスレティックトレーナーのできる事、専門としている分野というのは認識されていませんね。

痛いところを摩ったり、マッサージ&ストレッチだけ繰り返していても原因が他にある限り、改善する可能性は少ないかもしれません。

時間内で一気に股関節の可動域が向上するわけではありませんが
「ずっと動かなかったのに動くようになったー」と感動されていたので
まずはミッション・コンプリートです

アスレティックトレーナーという職業が少しでも認識されるようになるために結果を出して
感動してもらえてば認知だってされてくると思っています。

そのためにも日々練習で、勉強して結果を残す事が一番だと信じています!

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#60 転倒防止 ②有酸素運動/サプリメント(栄養)

前回のブログでは転倒防止(運動寿命を維持するため)にはあまいものを避ける事
が一つの要素である事を紹介しましたが、有酸素運動もまた重要な要素になります。

有酸素運動をする事で血流が増加しますが新しい毛細血管を発達させる事に繋がります。
小さな神経系にも血流を促すことになりますから血流が多ければ多いほど酸素も神経系に運ばれるので運動寿命が維持させるますね

またサプリメントも重要な要素であるとBareFoot Strongの著者Dr. Splichalは勧めています。

アセチルLカルニチン、R-リポ酸、Lメチルフォレートなども神経系の保護に重要だと勧めています。

特にビタミンやミネラルがないと働きませんので必ずセットで摂る事が必要ですが、特定のビタミンを単体でとっても全く効果はありません。

複合的に摂取して初めて機能するので(オケ理論)サプリメントを飲むときには必ず複合で摂取する事が大事ですね。(マルチビタミン、マルチミネラル)

さらにミネラルは液体の方が吸収率が良く、フルボ酸を含んでいるものと圧倒的に吸収率が上がります。
フルボ酸も地層から採取されますが有害のものとフルボ酸を区別して採取する事がとても難しいそうですので
フルボ酸を含んでいるという事の他に有害なものが含まれていないかどうかというのも健康を考えた時にとても重要な要素であると考えています。

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#59 転倒防止 ①甘いものを控える

年を重ねるにつれて転倒して怪我をする方が多くなってきています
転倒防止のためのトレーニングというのも注目を浴びるようになってきました。

足から得られる情報(インプット)が正確であればあるほど対応する動きも正確で確かなものになってきますが老化によってどうしても起こってしまうのが神経系のダメージ(神経の老化とでもいいましょうか)

コントロールを失うことは末梢神経系が老化する事を意味していて
これに対処する方法(抑制する方法)もまた存在します

足底は小さな神経が多く存在するところでその80%は振動(Vibration)を感知します
運動と感覚の機能を持つ神経では足の神経は別の部位に比べて
3倍もの感覚を司る神経が存在しています。


https://www.esciencecentral.org/ebooks/proprioception-the-forgotten-sixth-sense/foot-sensation-balance-and-proprioception.pdfより転載

①肌触り、②皮膚のストレッチ、③振動、④圧(強弱)の機能を持つ小さな神経は
全てまっすぐ立ったり、姿勢の維持、凹凸のある地面に対してコントロールしたり
地面のインパクトを吸収したりします

振動刺激を感じる事がインパクトを感知する事に繋がるために
前述した通り80%もの足底の感覚は振動に対して感知するものになります
日常生活の負荷をコントロールできる寿命を「運動寿命」と表現するとしましょう。
運動寿命が高ければ年を重ねても自分の体である事ができて、転倒もする事はありません。

その運動寿命を維持するために必要な事の一つに血糖値のコントロールが挙げられます。

血中の過度な糖分はフリーラジカル(AGE)に変換されて、神経系の電気信号の伝達を困難にします。また炎症を起こします。

あまいものを控える事は運動寿命を維持する上でとても大事な事になります。

どうしても食べたいという方は食前に桑の葉のお茶を飲む事の非常に良いそうです。

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#58 ひざ痛の原因 50歳男性

「膝が痛い」から見て欲しいという50代男性

「特に何をした訳でもなく、普段走っているけど最近目立って距離が増えた訳でもないからチェックして欲しい」
という話の内容でしたがその時点で自分の中ではある程度、こうゆう感じなんだろうなというのはあります。

 

膝の場所にもよりますが半月板、各種靭帯、筋肉、脂肪体など念のためチェックしますが多くの場合カラダのアライメントが良くないために起こるものが多くみられます

 

「なぜ膝に負担がかかるの?膝以外の部分で何かの影響で膝に負担がかかっているはずですよね。

 

それを丁寧に捜していきますが、基本的に安定すべき膝が不安定になりだした時に周囲の筋肉がビックリして緊張を起こしてしまう事が多くみまれます。

 

今日見られた方も健側の股関節のモビリティが悪くなっているがために逆側の膝に無駄に回旋が生まれた結果膝周囲の筋肉が過剰に使われていました。

 

当然上肢、下肢、体幹部を含めても回旋筋群に左右差があふために水平面上でのアライメントが狂っているためにアンバランスがあるのでエクササイズを含めて膝に無駄な回旋力が加わるのを抑制するプログラムを提案していきます

 

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#57 スクワット/デットリフトで腰痛になるケース①

デットリフトやスクワットの時に腰が痛くなってしまってどうしても
トレーニングが進まないと言う方が来られました

重量をあげると顕著に脊柱起立筋を使ってしまいそり腰になってしまい痛みを発生させますが、軽い負荷でスクワット動作をさせても
(痛みがないだけで)基本的に同じ動きをしてしまいます。

そしてスクワット動作をさせてみて「(足で)地面を強く押込む感覚」ができず、
当然イメージする事もできません

腹部の内圧をキープできない問題もありますが、今までの動作での内転筋や大腿直筋などの軟部組織が邪魔をしてしまい正しく動かす事ができない状態でいました

筋肉の収縮が正しく起きるようなアプローチをしてみると
だいぶスムーズに動作ができるようになってきましたが
足首のモビリティも悪く、足首の硬さを代償して
股関節がうまく機能していないという問題もまだあります。

本人も腰が張る原因が足首に問題があるというのにびっくりしていました。

一般的に腰が痛い場合は腰に問題があると思ってしまいがちですが
身体全体の統合運動なので悪い部分があると
そこを代償するように別の関節が動き出します。

まだまだ一般的には知られていませんが
少しでも問題と原因が別の部分にあるというのが
認知されると我々の仕事や職業も認知されてくるのでしょうね。