#66 膝の痛みについて

膝の痛みはどこが痛いのかによりますが慢性的な場合は当然「膝に負担がかかる状態」にあるわけですから膝以外に原因がある事がほとんどです

足首の可動域が制限されていて「前方で詰まる」感覚を覚える事がよくあります。

外側足関節捻挫など様々な原因がありますが背屈の可動が取れていないと当然膝や股関節にも影響が出てくるでしょう。

本日は背屈する時に内在筋と外在筋のコントロールが上手くできない方をケアしました。(痛みは膝にあります)

背屈時に足関節が安定しないためか前脛骨筋の過剰反応がおきてしまい「つまり」を生み出している原因の1つになっていました

また足部に関しても母趾の外転ができずに長母趾伸筋で外転運動を代償するために足の内側アーチをコントロールする事ができません

そもそも母趾外転筋の反応がなく、反応を出すことからスタートしますがうまくこの筋肉が使えてくると内側アーチがキープする事が出来るようになり足部の外在筋と内在筋の役割がそれぞれ出来るようになってきます。
(もちろんそのように教育していきます)

足部がコントロール出来るようになると足関節も正しく動かせる準備が整います。

次は足関節へのアプローチが出来るようになり、足関節の可動が出てくると膝への負担は減ってきます。

小さい筋肉はトレーニングをしても大きく肥大するわけでもないので「地味」なトレーニングに見えるためモチベーションが上がらない事が多々あります

しかし機能的には非常に重要で大きな痛みの引き金になってくる事が多いですね

膝に痛みのある方、股関節、足関節の機能は大丈夫ですか?

近くの専門家まで訪ねてみて下さい。

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# 65 膝の手術後の2次的な怪我

前十字靭帯などの膝の手術をしてから長い間ギブスをしていたりブレースをして可動域の制限をかけた状態でおく事は多々あります。

場合によっては松葉杖をする事もあるでしょう。

怪我をした側の脚では膝裏(膝窩筋)などが張ってきて、逆脚は体重を支えるため大腿直筋やふくらはぎ、大腿筋膜張筋も代償運動によって過緊張を起こすことが多々あります。

病院では患部の状態を中心にみますが、我々アスレティックトレーナーはそれによる2次的な怪我の可能性も常に目を光らせています。

例えば「鵞足炎」がその一つになります。

3つの筋肉が同じ場所(膝の内側)に付着する鵞足では筋肉が過緊張を起こすと付着部の骨を引っ張り炎症を起こしてきます。

手術後に周囲の筋肉の張りを常に改善しておかないとこの症状は出てくるのではないでしょうか?自分でケアすることも大事だし、専門家に診てもらうのも大事になるでしょう。

それだけでなく、松葉杖をしてれば肩も張ってくるし、手首で体重も支えるので関節に炎症が出てくることもあるかもしれません。

膝だけに関わらず一つ怪我をして生活習慣が変化すると別の部位にも変化が当然出てきますので2次的な怪我も注意してください。

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#64 45歳男性腰痛

ギックリ腰ってどうして起こるの?

ギックリ腰などの急性の腰痛は脊柱を安定できずに突発性の動きに対応できなくなり周囲の筋肉が強烈に緊張する事によって起きてきます。

個人的に重要だと思うのが股関節。

股関節で可動域が広くとる事ができればいいのですが、股関節の十分な動きが獲得できていない場合は近くの関節(例えば腰)が股関節の動きを補って動き出します。そして腰の負担が大きくなってきます。

結果的に腰に最終的な痛みが出てきますが、ひょっとしたら股関節の動きの低下が腰痛の引き起こしている可能性があります。

先日訪問された方もこのパターン。

腰が痛いのに、トリートメントを受けている場所は股関節で特にお尻の筋肉(深層外旋筋群)なのでなんで?って質問を受けましたが
説明をすると納得されて、実際にトリートメント後に確認してもらうとだいぶ改善されていました。

良くなったからといって、急激に動かし過ぎるとまた周囲の筋肉が緊張してしまうのでいつも最後には十分に注意をしています。

前にそれで時間をかけたケアが台無しになった事がありました。今後再確認して、再度ケアした部位を行う必要があるとは思いますが鍛えるべき筋肉が動くように教育させていきながら腰への負担を軽減させていく計画です

#63 スポーツトレーナー

世間的には「スポーツトレーナー」と一括りになってしまいますが、メディカル系のアスレティックトレーナー(AT, ATC)なのかストレングコーチ(S&C)なのかで実際は行う事は全く違います。

「トレーニングを選手にする」という事同じですが目的も方法も違ったりします。自分自信はメディカルの方に興味を持って仕事しているのでS&Cの世界は知りません。

あなたはどちらですか?ってはっきりさせる必要もないのですが、セミナーに参加していると全てを理解しようとする非常に勉強熱心な方もいれば、自分の領域以外の事も全て知ってる風に口を出す勘違い野郎もいます。

トレーニングやトリートメントは色々な考えがあるし、東洋医学と西洋医学があるようにお互いが良いところがありますし、そこには相手を否定する事は必要ありません。

ATとS&Cもボディーメイクもやっている事は似ているように見えますがそれぞれがプロなのでそれぞれ特別な存在です。

「スポーツトレーナー」と言われて肯定派と否定派が一般の人にはいるかもしれません。
良い思い出がある人、悪い思い出がある人。良いトレーナー、悪いトレーナー、全て一括りです

良いイメージを持ってもらえる事は非常に嬉しいですが、間違った認識を持たれてしまう事も非常に多いです。

例えば「トレーナー=マッサージする人」

これは寂しいです。

「町の整体でマッサージしてもらっても痛みがなくならないから諦めていた」

「痛み止めの薬と湿布を貼って安静にしてください」ってお医者さんに言われましたという人。非常に様々ですが我々の業界が何をしていて何が解決できるのかを世間的にもっと知ってもらいたいですね。

そのためには自分はプロとして結果を出して、向かい合って話し合って理解してもらって周知させていくのが一番なのかなって思います。

#62 自分にとってアスレティックトレーナーという仕事

僕はアメリカでアスレティックトレーナーとしての基本的な事を勉強したし経験したので日本で働くのとは比較しにくいのですが、実際卒業してから帰国しているので仕事としては日本で活動しています。

現時点で自分が感じた事をここで書いておきます。
(賛否両論あると思うのでその人によって感じた事、思っている事は違って当然ですので参考まで)

まず最初に働く場所についてですがご存知の通りアメリカでは高校・大学・PTクリニックなど勤めるところは日本に比べると多い気がします。

自分の場合は帰国して会社員として学校で教えていた時は「教える事で勉強した事がブラッシュアップさせるから」と考えていました。

これ自体には間違いはありませんでした。自分で理解するのと指導するのでは全く違いますね。
日本ほど働きましたが今度芽生えてきたのは「現場での経験がないのに教えていいのだろうか?」という葛藤です。

現場の仕事はないかなーと探していたら偶然にもサンフッチェの求人を目にしてトントン拍子に話が進んで2ヶ月後には内定をもらいました。

プロの世界の選手をみれた事は非常に大きな経験になったし、いま現在の指導のベースになりました。
プロ選手といっても一人の人間で身体の構造も同じだし、話す言葉も同じで特にプロの選手が特別な存在とは思わなかったです。
(もちろん世間的には特別ものでそれなりのプライドも選手は持っているはずです)

現場の仕事はすごく面白くて勉強にもなったし、辛かった事も多くあるのですが一番引っかかったのは「契約」です。

基本我々の世界は一年契約の更新です。仕事があればいいけど急に契約更新がないといわれても自己責任。
会社員とは違って結構リスキーだなと思いました。(当たり前なんだろうけど、そんなの考えもしなかった)

いやでも老後は来るし、退団する時は必ずきます。だからその時のための準備をしながら毎年過ごすという事が出来ないくらい毎日忙しかったので将来に対する自信がなかったんですよね。

健康面も当時30歳で若いうちは全然いいけど一生健康でいられる保証はないし、当時は「早寝早起き3食バランス良く」が健康の秘訣だと思っていたので世間知らずでしたね。

あとは時間の問題。オフシーズンにしかまとまって休みがないので将来ずっとこれで過ごすという選択肢はありませんでした。
2011年に地震があって直後に連絡が取れなかったりした時に、仕事以外の自分の人生に目を向け始めました。
「アスレティックトレーナーである前に一人の人間として生きている」からそれを大事にしたいって。

自由に旅行に行ったり、勉強したり、本を読んだりってやつです。
自分にも絶対にくる老後や健康についての問題についてもしっかり学びたいと思ったし、準備したいと本当におもいました

だから東京に帰ってフリーランスとして自分でコントロールしながら働きたいと思ったし、そうやっていく事が自分にとって絶対に必要でした。

当然仕事がなければ収入だってありませんので自己責任。
でも一方で上がらない給料を期待するより、挑戦したい気持ちが強かったですね。
(世間はそんなに甘くないというのもその後よく学びました・・)

セミナーでて勉強したり、東京はすごく尊敬できる人が多く、雑音も多いですが情報も多いです。

その後高校や社会人レベルをチームで働きましたが属するチームによって予算の問題があるので設備や環境、給与もまちまちです。
おそらく自分で満足できるくらいの環境で働ける事はなだろうなって思いました

今考えているのは東京オリンピックがある2020年までは東京はすごく刺激的ですがその後はどうなるのか?
本当に人工知能が発達して働く人が減ればその人たちをクライアントに持つ自分も当然影響を受けるし、年金問題も親・祖父母の時代とは全く違います。

退職金もらって年金が守ってくれる時代はとっくに終わっていますから真剣に考えないといけないし、若い頃の貧乏や苦労は笑えますが老後の貧困は自分は笑えません・・。

それだけ生きるって大変です。税金も安くないですから。

理想もそうですが現実もこの業界だけでなく色々な世界をみてみたいし、経験したいのでプロ選手をサポートしたいというミーハーな考えは無くなりました。

34歳になり少なからず後輩から相談を受ける事がありますがいつも「自分は人と考え違うから参考にならないよ」っていいます。経験は話せるけどその人の理想と成功は自分とは全く違うはずですから。

#57 スクワット/デットリフトで腰痛になるケース①

デットリフトやスクワットの時に腰が痛くなってしまってどうしても
トレーニングが進まないと言う方が来られました

重量をあげると顕著に脊柱起立筋を使ってしまいそり腰になってしまい痛みを発生させますが、軽い負荷でスクワット動作をさせても
(痛みがないだけで)基本的に同じ動きをしてしまいます。

そしてスクワット動作をさせてみて「(足で)地面を強く押込む感覚」ができず、
当然イメージする事もできません

腹部の内圧をキープできない問題もありますが、今までの動作での内転筋や大腿直筋などの軟部組織が邪魔をしてしまい正しく動かす事ができない状態でいました

筋肉の収縮が正しく起きるようなアプローチをしてみると
だいぶスムーズに動作ができるようになってきましたが
足首のモビリティも悪く、足首の硬さを代償して
股関節がうまく機能していないという問題もまだあります。

本人も腰が張る原因が足首に問題があるというのにびっくりしていました。

一般的に腰が痛い場合は腰に問題があると思ってしまいがちですが
身体全体の統合運動なので悪い部分があると
そこを代償するように別の関節が動き出します。

まだまだ一般的には知られていませんが
少しでも問題と原因が別の部分にあるというのが
認知されると我々の仕事や職業も認知されてくるのでしょうね。